形成外科
形成外科とは
形成外科は、生まれつきの身体表面の変形、色の変化あるいは外傷や手術(腫瘍切除など)後の組織欠損や変形などを、正常な状態に出来るだけ近づくように修復し、QOL(生活の質)を改善して早期の社会復帰を助ける外科の一分野です。
体表の皮膚や軟部組織を対象としていますが、顔面に関しては骨の病気や外傷も形成外科で治療しています。
また、癌の治療や外傷などの結果もたらされた身体の変形は、身体機能と社会的活動性を低下させ、しばしば精神的に患者さんを苦しめます。 このような癌治療後や外傷後の身体の変形を修復する医療も、形成外科の扱うひとつの分野です。
形成外科で扱う主な疾患は、以下のようなものがありますが、不明な点は形成外科外来までお問い合わせください。形成外科で扱う疾患
- 皮膚など体表面の外傷、熱傷、顔面骨骨折
- 生まれつきの形態異常 (唇裂、口蓋裂、多指症、合趾症、副耳、耳の変形、臍ヘルニアなど)
- 皮膚、皮下の良性腫瘍(粉瘤、母斑(ほくろ)、血管腫、リンパ管腫、脂肪腫など)
- 悪性腫瘍およびそれに関連する再建
- 瘢痕(きずあとに関すること)、ケロイド
- 難治性潰瘍(治りにくい傷)、褥瘡(とこずれ)
- リンパ浮腫 (婦人科系の腫瘍術後の足のむくみや、乳がん術後の腕のむくみ)
- その他 眼瞼下垂症、眼瞼内反症(さかまつげ)、顔面神経麻痺、腋臭症(わきが)、リンパ浮腫、陥入爪、巻き爪、毛巣洞、膿皮症 など
治療費について
形成外科で扱う病気や外傷、変形などの大部分は健康保険にて治療できます。さらに、乳児医療や自立支援医療(育成医療)という制度を活用することもできます。
しみに対する軟膏治療、レーザー治療(脱毛レーザー、炭酸ガスレーザー)は自費診療になります。トピックス
まぶた外来
当院ではまぶたを専門に治療する『まぶた外来』を開設しました。眼瞼下垂症、眼瞼内反症、睫毛内反症などの治療を積極的に行っています。〔2023年度診療実績:109件(左右別)〕 以下の症状やまぶたのことでお悩みの方はお気軽にご相談ください。
※下記疾患の治療は保険適応です。
眼瞼下垂症
まぶたの皮膚や、まぶたを上げる筋肉から連続する筋膜が、加齢などが原因で弛緩し、まぶたが下がった状態を眼瞼下垂といいます。これによりまぶたがあけにくく、上の方が見にくくなります。眼精疲労や、ひいては頭痛や肩こりを引き起こします。また、額の筋肉を使ってまぶたをあけようとするため、眉毛が上がり、額にしわが生じます。結果として老けた印象を感じさせる顔つきになってしまいます。
眼瞼内反症
まぶたの皮膚や支持組織が加齢により弛緩し、眼球側にまぶたが折れ曲がった状態です。これにより常に眼球に刺激を与えるため、違和感が強く、涙が止まらなかったり、目やにが増えたりします。また眼球の角膜を傷つけ、目がかすむなどの症状が生じることがあります。
睫毛内反症(さかさまつ毛)
生まれつきまつ毛が眼球側を向いて生えてしまっている状態です。まつ毛が眼球に当たるため痛みが生じます。涙が止まらなかったり、目やにが増えたりします。また眼球の角膜を傷つけ、目がかすむなどの症状が生じることがあります。
顔面骨骨折(前頭骨骨折・眼窩底骨折・頬骨骨折・鼻骨骨折・上顎骨骨折など)
顔面は複数の骨が複雑に組み合わされて構成されています。事故やケガによりこれらの骨が折れ、ズレることによって、顔面に変形が生じます。また目の動きが障害され物が2重に見えたり、口が開かなくなることがあります。手術にて折れた骨を元の位置に正確に戻し、固定することで顔面の変形やこれら機能障害の改善をはかります。当科では顔面骨骨折に対して受傷後早期に対応し、適切な時期に手術を行っています。また過去の骨折による変形(陳旧性顔面骨折)に対する手術も行っています。〔2023年度診療実績:23件〕
他科との連携(再建術)
当科では口腔がんや乳がんなど、他科での悪性腫瘍切除後の組織欠損に対する再建治療を行っています。他科と連携し、より良い医療の提供を目指しています。
よくあるご質問
- Q
- まぶたの手術は保険適応となりますか
- A
- 基準を満たし眼瞼下垂症/眼瞼内反症/睫毛内反症と診断されれば保険適応となります。両目の手術を同時に行う際は2泊3日の入院にて治療を行っています。
- Q
- 手術費用に関して
- A
- 保険診療で行う手術では、手術の内容や入院期間、麻酔方法などで費用が決まります。お電話での問い 合わせでは、お答えすることが難しいため、受診されてご相談ください。診察の後に概算をお伝えすること は可能です。
- Q
- 多汗症に対するボトックス外来について
- A
- 原発性腋窩多汗症と診断した際には保険診療が可能です。受診当日には施行できません。(診断、説明、薬品の注文が必要である為)
- Q
- ほくろのレーザー治療に関して
- A
- 診察の結果、レーザー加療の適応があると考えられる、ほくろ・いぼに関しましては、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)での除去が可能です。
*自費診療になります。(表示は税込みです)
初診療 3,322円 または 再診料 858円
+
薬剤及び処方料 660円
+
薬剤料(院外薬局)
+
ほくろの大きさ | 手術料金 |
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5mm以下 | 16,500円 |
6~9mm | 27,500円 |
10mm以上 | 38,500円 |
スタッフ紹介
加藤 駿平(常勤) | 役職 | 形成外科副部長(診療科主任) |
専門 | ||
博士号・認定医等 | 一般社団法人 日本形成外科学会 専門医 一般社団法人 乳房オンコプラスティックサージャリー学会 乳房再建用エキスパンダー/インプラント責任医師 ボトックス講習・実技セミナー修了医師 がん緩和ケア研修会修了 |
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落合 かおる(常勤) | 役職 | 形成外科医師 |
専門 | ||
博士号・認定医等 | ||
宮崎 史帆里(常勤) | 役職 | 形成外科医師 |
専門 | ||
博士号・認定医等 | ||
石井 直弘(非常勤) | 役職 | 嘱託医師 |
博士号・認定医等 | 一般社団法人 日本形成外科学会 形成外科専門医 | |
志水 里瑛子(非常勤) | 役職 | 嘱託医師 |
博士号・認定医等 | 一般社団法人 日本形成外科学会 | |
坂本 憲杜(非常勤) | 役職 | 嘱託医師 |
吉田 沙矢(非常勤) | 役職 | 嘱託医師 |
加藤 達也(非常勤) | 役職 | 嘱託医師 |
博士号・認定医等 | 一般社団法人 日本形成外科学会 | |